「知っていますか?セクシュアル・ハラスメント一問一答」第3版より
●自分がエライと思っている人
Aさんが上司の男性から食事につきあうように言われ、断ったところ、「何様と思っているのだ!」と怒鳴りつけられました。その後Aさんは、この上司から、ことあるごとにいやがらせを受けることに。
この上司、「たかがOLふぜいがおれさまに盾つくとは」との意識がありありと感じられます。職階上で下位にあるものは、上位にあるものに対し仕事外でも従って当然、と勘違いしているようです。
●女性を軽く見ている人
Bさんは、すれちがいざまに、同僚の男性にお尻をさわられました。「何するの!」と抗議したところ、「これくらいのことでむくれるな」と開き直られました。
この男性が、「気安く」こんな振る舞いができるのは、Bさんを軽く見ているから。Bさんがこの男性の上司だったら、この男性がお尻をさわったりするかといえば、おそらくノーでしょうし、上司から抗議を受けたりすると震えあがるのではないでしょうか。
●無神経な人
Cさんは、最近お腹のまわりが気になるし、額のあたりも少し寂しくなってきました。女性社員たちに、「ビール腹」「ハゲ」などとからかわれても、笑って聞き流していますが、内心、不快に感じています。
容姿や体形をからかわれて不快なのは、男性とて同じです。直接、抗議を受けなくても、デリカシーのある人なら、相手がいやがっているかどうかということは、表情や態度からわかるはずです。
●性別役割意識にこりかたまっている人
Dさんが、妻の産休明けに合わせて育児休暇を申請したところ、同僚から、「恐妻家」「男らしくない」などと陰口をたたかれ、閉口しています。
子育ては女性の仕事と決めつけることは女性差別であるとともに、育児に積極的にかかわろうとする男性差別でもあります。「性別役割分担意識」にとらわれているのは、男性にかぎりません。男女ともに、気をつけましょう。
それに、育児休暇は、いうまでもなく、法律で認められた労働者の権利です。権利行使を非難するような言動は、セクハラ以前の問題としてつつしみたいものです。
以上は実例から。思い当たるところのある人は要注意です。